風祭り [田舎暮らし]

先週末
小坂井の菟足神社の風祭りに出掛けた
風祭りは豪快な花火で知られるが
まことに地味な神事について回った。

この祭りには人身御供の伝説がある

大祭の日に
「子だが橋」を最初に渡る若い女を
生贄にする風習があり
その役目の男が待ち受けると
やってきたのは自分の娘
男は「自分の子だが」仕方ないと
泣く泣く我が娘を生け贄にした

「今昔物語」一九巻には
三河の国守大江定基が
「其の國にして
国の者共風祭と云事をして
猪を捕、生け乍ら下してけるを見て」
いよいよ出家する心を強めたことが
書かれている

人身御供はともかくとして
猪はいつの頃か雀に変わり
それも鳥形をへて
現在は矢を二本射るだけとなった

神事はあっけなく終わる
写真を撮る間もない

祭り1日目に雀射初神事
2日目が雀射収神事
3日目には雀12羽が献供される

実際に雀が献供されるかどうかは
宮司家の秘事とされている

最近の動物愛護団体のからみも
あるのだろう
わずらわしいことだ

祭り1日目に雀射初神事の前に
浜下神事が行われる

菟足は「うたり」と読む
「うたり」とは葦の茂る湿地のこと
古くはあたりは汽水域だったのだろう
蛤はそんな淡水の影響のある
内湾の砂泥底に生息した

浜下神事の後に
雀射初神事の一行は茹蛤の供応をうける
海の幸の豊漁を願う持てなしであり
呪術なのだろう

一行と別れ神職と総代は雀射初神事に向かう
菱木野天神社で矢を二本放つ

雀弓.jpg

3日目の雀1献供の前には
田植神事で種籾播きが行われる
それを終えて雀献供となる

一説には、生贄とされるが
本来は稲に雀が害をなさない呪術なのだ
それ以前が猪だったのは
おそらく、それが稲作以前の
害獣駆除の呪術だったのだ

小坂井町は現在も伏流水が豊富だ
稲作にも適し、早く
狩猟から農耕に移行できたのではなかろうか
穂の国の名も案外そんなところから
名付けられたのではと…
妄想を膨らませながら
神事を見ていた

神事を待つあいだに
社の脇の神木に目がいった
万福招来生木の表示とおかめ面

おかめ.jpg

豊作を願う田遊の神社には
はらみ女がつきものだった





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