峠へ 制作開始 [アート]

景象107号の〈表紙の言葉〉に寄稿した。
「あいちトリエンナーレ2016」に
出品する〈峠へ〉について書いた。

〈表紙の言葉〉
まもなく「あいちトリエンナーレ2016」が開幕する。美術、映像、音楽、パフォーマンス、オペラなど、現代行われている芸術活動をできるかぎり「複合的」に扱おうとする国際芸術祭。三年に一度、愛知県で開催される。第3回となる今回は「虹のキャラバンサライ 創造する人間の旅」というテーマのもと、日本をはじめ世界中から選ばれた、百組を超えるアーティストが作品を発表する。キャラバンサライとは「隊商の宿」。キャラバンが旅の疲れを癒す休息の場。名古屋の愛知芸術文化センターをはじめとした名古屋、豊橋、岡崎の各会場で開催される。
 私は、テーマにあわせ、愛知県から旅するために通過した、静岡・長野・岐阜・三重の県境の峠や渡場から土を採取し、それを、縦244×68センチの綿布70枚にドローイングする。

峠へ 制作風景.jpg

愛知芸術文化センターの、24×12メートル、高さ5メートルの展示室の壁を峠の土で覆いつくそうと考えている。プロジェクト名は「峠へ」。決めごとは、峠をおとずれ、そこから見渡す範囲で、最初に露出していた土を3段採取することだけである。土は選ばない。旅は豊橋市細谷の太平洋を望む海岸からはじめた。

細江海岸.jpg

天竜川、矢作川、木曽川、長良川沿いの山野を越え、伊勢湾を望む木曽岬まで、行程は約1500キロ。採取した土のドローイングは、現在12枚目の新城の陣座峠に到達。まだまだ先は長い。旅に目的地など必要は無い。ただ、土がつきるまで淡々と描き続けるだけである。まもなく旅の過ごし方が形となる。

本展とは別に愛知県の
一宮、大府、安城、設楽の各会場に移動する
モバイル・トリエンナーレが
8月~ 9月の週末に開催される。
http://aichitriennale.jp/mobile/index.html
私は一宮、大府、安城、設楽で
露出した地層からそれぞれ16段採取し
182×152センチの小品4点を出品する。

同時期開催される
サンセリテの個展でも
モバイル・トリエンナーレと同じく
豊橋市内で採取した作品を制作する。

豊橋.jpg

豊橋では素晴らしく華やかな
赤い地層に遭遇した。
地層は最初に出会った場所で採取する。
いつものことだが
選ばないと
結果その土地を象徴するかのような
土と出会うことが出来る。



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