ゴキブリは食べられる [田舎暮らし]

ゴキブリが混入し、回収騒ぎになっている。
20数年前のことだが
私のアトリエで
西江雅之氏の講演をしたことがある。

西江雅之氏をご存じない方のため
氏の略歴を記しておく。
1937年東京生まれ。専門は言語学・文化人類学。早稲田大学政経学部卒、同大学文学部英文科卒、同大学大学院芸術学修士課程修了。フルブライト奨学生としてカリフォルニア大学(U.C.L.A)大学院で学ぶ。東京外国語大学、早稲田大学、東京芸術大学などで教壇にたつ。23歳で日本初のスワヒリ語の文法を発表。アフリカ諸語、ビジン・クレオール語の先駆的研究をなした。

その時、タブーについて話され
人類に食糧危機の心配をする必要はないという。
食料はこの地球上でまだまだ幾らでもある。
ただ、どの国にも、タブーがあり。
立派に食料となるのに食べようとしないため
食糧危機が発生するという。

日本人は蛸を食べるのに食べない国がある。
牛も豚も食べられない国がある。
コウモリを食べる国もある… などなど

それら全てが
その国の文化的タブーによるもので
それが、人類にとって
食べてはならないものではない。

そして、人類を食糧危機から救う
繁殖も早く、養殖もでき
充分なタンパク源となる食材として
ゴキブリを推薦していた。

養殖された
ゴキブリの真っ黒な固まりが
ゾロゾロうごめく姿は
考えてもぞっとするが
鰻の養殖場で合成飼料に群がる
鰻の姿を一度見れば
鰻だって気持ち悪くなる。

さて、焼きそばの話にもどるが
混入していたゴキブリは
加熱処理までされていたそうだ。
正確には
製造工程の熱処理加工前に混入したということだろう。
すると、殺菌処理しているということではないか。
無理に食べることはないが
食べたとしても何の支障もない。

日本では、以前普通にイナゴを食べていた。
山間部では、今も蜂の子を食べる。
ゴキブリはそれとどこが違うというのだ。
汚いものの代名詞にされているだけだ。

汚いといっても
ゴキブリが絶対にいないと言い切れる
日本の家庭はどれほどあるのか。
恐らく、全ての家庭は
汚い台所で調理していることになる。

つまり
毒入り餃子とは、根本的に違うのだ。

もちろん
ゴキブリの混入はない方がいい
しかし、それでも
その程度のことでしかない。

マスコミが「食の安全をどう確保するか」と
大騒ぎするほどのことではない。

その上
この問題は食の安全とは何ら関係はない。
大騒ぎして
混入してもいない
全ての商品を《廃棄させる》ことのほうが
はるかに重要な問題なのだ。

もちろん、メーカーとしては
このような大騒ぎになれば
モタモタするよりも早く処理したほうが
混乱を最小限に防げるという
いたしかたない判断であろうから
理解はできる。

しかし、それとは別に
全ての商品の廃棄することが
本当に正しい行為なのだろうかという
素朴な論調がマスコミから
何故出てこない。

家庭の台所でゴキブリが歩いていたからと
その日の食品を全て廃棄する家庭など
あるはずがない。

私ならば
このことが報じられても
構わず購入するし、食べる。
但し、数日は、裏返して
ゴキブリの混入を確認するかもしれないが
もしも、見つけても
次の日、事務所で大騒ぎする程度だ。
そして、すぐに忘れるだろう。

かたや、同じマスコミが
世界で多くの子供たちが
餓死する映像を流し続けている。

それを見ながら
食べても構わない
焼きそばを大量に廃棄し
そして、日々大量に発生する
食べ残し。

このギャップに、なんの反省もなく
正義の味方ぶるマスコミや
飽食の日本に
最近、居心地の悪さを感じてならない。





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