たてまえテスト、実態ぶっつけ本番角皿制作 [陶]

奈良の陶芸材料店から
原土を32種類入手した。

通常陶芸では採掘したままの粘土を
土の粒子の大きさにより
水中での沈降速度が異なる性質を利用し,
粒子が細かく揃い、扱い易い粘土とした
水簸(すいひ)粘土が使われる。

しかし、私は、水簸粘土を
殆ど使用したことがない。
常に採掘したままの粘土
つまり原土を利用してきた。

この夏、入手した原土を益子に運び
それぞれ、30cmの角皿一枚に
抹茶碗とぐい呑みを成形した。
テストといいながら
恐らく、二度と同じ土は使用しないだろう。
いつもと同じ
常にぶっつけ本番である。
テストし結果が予想できる作業はつまらない。

陶皿作業場.jpg
陶皿制作.jpg

無駄になるだろうと思いながら
一応テストのまね事を
ゴム印で原土番号を印字
陶皿印鑑.jpg

成形した後は、
乾燥から、焼成を
信頼する友人に全てをまかせている。
室の乾燥状態からも
それぞれ土の表情の違いが分かる。
陶皿室.jpg

通常行われる素焼きは殆どしないのだが
あまりに勝手の違う原土の上
その種類の多さから
今回は素焼きした後
鉄分の多い土は白化粧し
釉薬は全て黄伊羅保で依頼する。
一応テスト風の
ぶっつけ本番大皿制作である。
乾燥化粧.jpg

素焼きはしたのだが
釉薬をかけた瞬間に崩れ去る土もあったという。
その残骸。
分解.jpg

それだけでなく
耐火力もなく地溶けして、
まっ平らになって棚板についてしまう土も
あるだろうと
器の下にモミ灰を敷き、
皿のせりあがりには全部道具土を入れるという
大変な窯焚きになってしまい
申し訳ない(一応詫びておこう)。
窯入れ.jpg

いつものように
短期間の制作時間な上に
砕けてしまったものも多いので
作品の仕上がる数が少ないかなと
思っていたら
持っている棚板を全部使ったのは初めての
ぎっちりの窯詰めになってしまったという。
窯焚き.jpg

いつも使う益子の原土を使用した
器も成形しておいたのが幸いしたようだ。
しかし、よくよく考えれば
砕けた作品がなければ
窯焚きは二度必要になったことになる。
これを怪我の功名と言うのか。
万事、計算通りと言うべきか。

ともかく、窯出しと
作品が届くのが楽しみである。

その後
窯出しの写真が届いた。
c84840249c7b3b3278bb369d64f0fd8c.jpg
3f3a17b0ec06ec4ccdcc000818de5509.jpg

全て同じ釉薬なのに
全く違う表情に焼き上がっている
ますます、現物を見るのが楽しみである。
10日後に、個展を見ながら
直接運んでいただけるという
子供のように
指折りして待とう。





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